指輪の作り方 鍛造製法について

指輪の代表的な製法である、「鍛造(たんぞう)」と「鋳造(ちゅうぞう)」製法。前回は鋳造製法についてお伝えしましたが、今回は、鍛造製法についてご紹介したいと思います。   鍛造は前回ご紹介した鋳造とは異なり、熱した金属に圧力をかける方法によってつくられます。一言でいうならば、「金属をハンマーで叩きながら成型していく」製造法です。ひたすら叩き、圧力を加えることで内部にあるすき間を潰しながら、結晶を細かく、さらにその方向を整えます。   その結果、金属の中の小さな空気の粒が圧縮されて、鋳造より強度に優れた頑丈な指輪が出来上がります。   また、鍛造製法は機械のプレスによって行う「型鍛造」と、完全な職人の手作業による「自由鍛造」に分かれます。   ◆型鍛造 金属をプレス機にかけて高圧で圧縮し、塊にしたものを機械で丸く打ち抜いたり、切削機で削り出したりして指輪を作る方法です。   ◆自由鍛造 金属の塊を叩いたり、伸ばしたりして棒状にしたものを曲げて指輪を作る方法です。 熱して柔らかくした金属が鍛えられ、引き締められながら徐々に成形されていきます。 多くの手間と職人の経験や技量が必要とされます。   最後に鍛造法のメリットとデメリットをお伝えします。   メリットはなんといってもその強度です。鋳造製法に比べて変形にも比較的強く、金属表面の硬度も高い傾向にあります。また、手にしたときの質感が高く、表面硬度も高いため磨いた際の輝きも強くなります。さらに、「着け心地が良い」と感じるお客様も多いようです。   もちろんその一方で、「製造に時間がかかる」「デザインの自由度に限界がある」といったデメリットもあります。とはいえ、長く使い続けるという視点でみれば、鋳造に比べて魅力的なことも事実です。   前回今回と指輪の製造法についてお伝えしましたが、どちらが良い製法と一概に言うことはできません。ご自身の作りたい指輪のデザインや普段の生活スタイルに合わせて、最適な方法で指輪をお作りになってくださいね!