連日お伝えしている「当店デザイナーが選ぶお気に入り宝石のご紹介」シリーズ。
第5回目の今回は、サンゴです。
それでは最初に、基本データを記載いたします。
和名:珊瑚
誕生石:3月
硬度:3
主な産地:日本海沿岸・地中海・アフリカ
宝石言葉:聡明・長寿・幸福
サンゴは、真珠や琥珀とともに、鉱物ではない有機質起源の宝石で、動物である「珊瑚」がつくりあげる特別な宝石です。
現在、日本では宝石類の産出はわずかですが、珊瑚と真珠だけは例外で、日本がその主な産地であるということが世界的に認められています。
サンゴは古くから、魔除けやお守りと考えられていて、特に「産後のお守り」として有名です。結婚35周年の「珊瑚婚」の贈り物や、還暦のお祝いとしての赤いサンゴなど、プレゼントとしても高い人気があります。
そんなサンゴですが、
・災いから身を守る
・あなたを幸せにする
というメッセージが込められています。
そして、サンゴを身につけるとどんな効果があるかというと、「運気アップ」「やる気アップ」「リラックス効果」などが代表的です。
また、昔から記念日に贈られることも多く、結婚35周年記念(サン・ゴの語呂合わせから)、19歳の厄除け、出産のご褒美などにプレゼントとして贈られる風習がありました。
なかでも、嫁ぐ娘の身の安全・幸福を授けるという言い伝えは重要視されていて、19歳の厄年に母から娘へ贈る習慣があります。嫁入り前の大事な娘を災いから守ろうと想う親心から、そんな習慣が生まれたのかもしれませんね。
また、サンゴは親が子供に最初に贈ると良いとされる宝石で、室町時代ごろの日本では、かんざしや帯止めにサンゴを加工したものをつけて、娘へと受け継いでいたそうです。
母親が大切に使っていたものを娘が受け継ぎ、それを娘がまた自分の子供へ受け継いでいく…
物を大切にする心や、脈々と受け継がれていく時の流れは、何かとても温かいものを感じますね。
サンゴという形見に姿を変えて受け継がれる歴史は、きっと素敵な想いとなっていつまでも伝わることでしょう。