紛争ダイヤモンドという言葉を聞いたことがありますか?
紛争ダイヤモンドとは、主にアフリカなど内戦地域で産出されるダイヤモンドをはじめとした宝石類のうち、紛争当事者の資金源となっているダイヤモンドのことです。
ダイヤモンドなどの宝石は、国際市場にて高値で取引され、産出国にとっては貴重な外貨獲得資源となります。
しかし、その産出国が内戦などの紛争地域だと、その国は輸出したダイヤモンドなど宝石類で得た外貨を武器の購入に充てるため、内戦が長期化および深刻化することに繋がります。
とくに内戦地域における反政府組織は資金難に直面しており、武器調達の資金源として鉱山を制圧し、一般人に採掘作業をさせることでダイヤモンドを販売しています。
そのため、罪のない人たちが苦しい採掘作業に従事されたり、場合によっては暴力など残虐な仕打ちをされたりなど、非人道的なことが起きています。
そこで国際社会と関係業界では、こうした紛争地域で採掘されたダイヤモンド=紛争ダイヤモンドを、取引から除外しようとする動きをとっています。
そのひとつが、紛争地域を原産地とするダイヤモンドを管理し、これらのダイヤモンドが世界市場に参入することを防ぐ目的で作られた、キンバリープロセス認証制度です。
キンバリープロセスは、ダイヤモンドが紛争のない地域を原産地とすることを保証することにより、ダイヤモンド産業を規制する国際的な制度です。
これにより、産出されたダイヤモンドが暴力に加担していないことを確認できますし、紛争地域で採掘されたダイヤモンドが市場に出回らないことで、反政府組織に資金が集まらず武器を購入できないという好循環にもつながります。
結果的に2008年以降、99.9%のダイヤモンド取引が非紛争ダイヤモンドであることが判明しています。
希少性が高く、高価であるがゆえに悪事にも利用されていたダイヤモンド。
これからは、世界中の人々が平和で幸せな生活を送れるひとつの資源として、素敵な使い方をされるといいですね!