ダイヤモンドをはじめとした宝石の輝きは、とても美しいものです。そんな宝石の美しさは色や透明度、光沢などからなっていますが、その他にもその宝石が持って生まれた特別な美しさがあり、特殊な効果を持っている場合があります。そこで今回から4回にわけて、宝石の特殊効果についてご紹介したいと思います。初回の今回は、「遊色効果」です。
遊色効果とはおもにオパールから観察される特殊効果で、宝石の向きを変えることで見える色彩が変わって、色の変化が生じる現象です。これは宝石が虹のような色彩を示す現象で、物質に入ってきた光が内部の結晶や粒子によって分散し、乱反射が生じる事で発生します。英語ではplay of color と言いますが、この色彩の変化がまるで色に遊ばれているかのようであるため、こうした名前がつけられたといいます。
遊色効果がみられる宝石としてはオパールが有名ですが、ラブラドライトやパール(真珠)、研磨した貝殻などに見られるイリデッセンス(iridescence/玉虫色)を遊色効果と呼ぶ人もいます。しかし厳密にいえば、遊色効果を示す鉱物はオパールだけという見方が一般的です。
さてそんな遊色効果の最大の魅力といえば、なんといっても虹色に光るその輝きですよね。閃光を発するように変化する虹色のきらめきは言いようがないくらいの美しさで、私も初めてみたときに思わず息を飲んでしまったほどの衝撃でした。
またオパールの種類によっても確認できる遊色効果が違ってきて、様々な色合いがありどれひとつとして同じ色味がないため、多くの人を魅了しています。特にオーストラリア産のブラックオパール、ボルダーオパールは、まったくと言ってよいほど同じ色の石は存在せず、オパールの中でも人気が高いです。
100個オパールがあれば、100通りあるといってもよいくらい様々なパターンが存在する虹色の輝き。その美しさと妖艶な雰囲気こそ、オパールを他の宝石と格別に違った特別な宝石にさせる大きな理由のひとつかもしれませんね。